マネジメントマーケティングの考え方を、整理すると以下のようになります。
「経営ビジョン、経営計画を含むあらゆる事業活動においてマーケティングは常に先行し、新たなマネジメントを創出する」という考えである。これがマネジメントマーケティングである。
近年のマネジメントのすべては「分野、業界、組織のとりまく環境と市場」に対応できるかどうかである。すなわち、マネジメントにおける事業分野や業界によって、さらに、組織、企業によって市場サイクルの時間差が長いか短いか、と考えることが重要な時代となっている。
ここで、気をつけなければならないのは、「創出」においては企業組織に限らず、公益法人をはじめ、NPO、学校法人、組合、また趣味のサークル、スポーツの私設応援団など、すべての組織や団体がこれにあたるということである。
マネジメントマーケティング(MM)とマーケティング・マネジメント(※コトラー)との違いを、端的に言い顕わすと、マーケティング・マネジメントは、「マーケティングを企業における経営管理の視点から捉えたもの」であり、マネジメントマーケティングは、「経営管理を分野、業界、組織における市場の視点で捉えたもの」である。
マネジメントマーケティングの基本
マネジメントのすべては「分野、業界、組織のとりまく環境と市場」に対応できるかどうか、ということである。
分野や業界によってその時間差が長いか短いか、「分野、業界とともに、組織全体を見る=市場の視点」が重要。
マネジメントマーケティングは、企業活動の全体、事業活動の全体を計るものさしとして位置づけられ、その活用においてはMM戦略シート、MMワンシート企画書などを代表に、MMP®ツールと言われる各種のツール類が存在している。
マネジメントマーケティングのツール
マネジメントマーケティング(MM)関連の体系化したプログラムやプロジェクト運営、各種のツール類では、代表的な17のプログラムやツールがある。
まず、ひとつは、MMCと言われる@「MM戦略会議」、次にMMCを育成研修用のプログラムとして開発したMMP®と言われるA「MM戦略プログラム」。
観光分野では、観光のカテゴリーを体系化したB「MMまちづくりの3ステップ」、CMMの「観光5資源体系」、さらに場おこしのプロセスとして利用されているD「モノづくり・コトづくり・場おこし7ステップ」がある。またイベント分野では、各種のイベントを区分、体系化したEMMの「イベント・コミュニケーション体系表」がある。調査・評価関連では、F「MM地域情報リスト」、G「MM観光商品テーマ別評価シート」、H「MM観光事業評価シート」、I「MM特産品・特産物評価表」、J「MM特産品調査分析」の手法などがある。
商品企画開発分野では K「商品企画開発10のステップ」手順、事業開発、商品企画開発で、よく活用されるL「MM戦略シート」や、M「MMワンシート企画書」の各企画シートがあります。「MM戦略シート」は、A、Bの2種類がある。
また、各分野を通じて、企業の相談会などにも使われているN「MM製品評価表」、O「MMプロトタイプ評価表」 P「MMスキルアップコミュニケーション」などがある。
そのほか、各種のMMに関連する各種のツール類があり、日々ブラッシュアップされている。
ということですが、 最新のブラッシュアップについては、書籍「商品企画・商品開発 ステップ10」(2018年7月発刊予定)に詳しく掲載する予定です。
小塩 稲之(コシオ イネユキ)
代表的開発ツールにMM戦略シート、MM戦略会議(MMC)、MM戦略会議プログラム(MMP®)、マネジメントマーケティング商品企画開発ステップ10など。
現職:一般社団法人日本販路コーディネータ協会理事長、一般社団法人日本観光文化協会会長、日本商品開発士会会長など。
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