企業にとって、技術力のみではなく、販売力の強化や事業効率性の向上による経営基盤強化は早急に解決すべき課題であり、さらには事業毎のPLの早期黒字化が望まれています。
マネジメントマーケティングは、企業を取り巻く社会経済環境や企業への支援・産業振興施策の現状、新たなシステムに関する議論の経緯を踏まえて、「市場の視点」から、実際に企業の抱える問題解決を実践するものです。
そのため、産業活性化プロジェクトにおける新事業の技術開発から市場化までの一貫支援要素の一つとして、産業クラスターの創成を促進させるものとしても位置づけられるでしょう。
企業の事業化の中で、大きな位置を占める商品の企画・開発においても、@マーケティング環境分析、A3C調査 セグメンテーション(市場の細分化)とターゲティング(市場の絞り込み)、Bアイデア発想・アイデア選択評価、Cポジショニング分析、D商品設計、プロトタイプ、E製品評価、FSWOT分析、Gマーケティング・ミックス(4P)による分析と戦略立案、H問題抽出解決、Iロードマップ作成(中長期計画)のプロセスを経て成立するものであり、各プロセスで企業が不足する部分を補完し、これまでの、ひらめきや勘だけに頼る商品企画や、技術シーズ中心の商品開発を廃し、継続的な商品開発が望めるように配慮する視点が大切です。
研究開発段階からプロトタイプ、完成品化までの工程には、一定の育成期間が必要です。また、プロトタイプから製品完成化までには多くの課題があります。
開発から商品化、販売に至る過程においては、試作品を完成するまでの資金、また、商品として完成するためにはより一層の時間・資金・労力が必要です。
さらに、市場調査などで顧客の潜在需要をつかみ、販売先経路に乗せ、販売計画・販促宣材物を用意し、初めて商品として完成し、販売ができるようになります。
さらにここでは、それまでの10倍以上の労力が必要といわれています。アイデア→開発とプロトタイプ(試作品)→製品化、さらに製品化→商品化の間には大きな違いがあります。
小塩 稲之(コシオ イネユキ)
代表的開発ツールにMM戦略シート、MM戦略会議(MMC)、MM戦略会議プログラム(MMP®)、マネジメントマーケティング商品企画開発ステップ10など。
現職:一般社団法人日本販路コーディネータ協会理事長、一般社団法人日本観光文化協会会長、日本商品開発士会会長など。
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